湘南里川フォーラム2020の第1分科会において
金目川水系流域ネットワークが中心となり
下記の様に実施いたしました。


日時  2020年2月2日 11:20〜12:50
場所  東海大学湘南校舎 13号館202教室
参加者 23名
テーマ 川の水温が上がったらどうなるの?
司会  金目川水系流域ネットワーク 柳川 三郎代表世話人
書記  横浜ゴム株式会社 環境保護推進室 旭 誠司 


◎議論された内容
柳川氏からの問題提起
地球温暖化の影響で気温が上昇している。河川や海洋の水温も上昇しているようだ。金目川ネットワークでは2005年から真夏の一番暑い日の一番暑い時間帯に金目川水系の河川の温度を測定している。上流よりも下流の温度が高かった。2005年を基準(100)にすると2013年までは100を超える事が多かったが2014年以降は100を下回ることもあった。この現象の原因は分かっていない。2015年以降気温も測定するようになった。地点ごとのデータを比べると気温と水温の相関が出ているようだがデータ量が少ないため、今後のデータ蓄積に期待したい。これからも地球温暖化が進んだ場合、金目川の生態系はどうなるか考えていきたい。

<水温の変化について>
  • 海水温については気象庁がよく調べている。しかし、河川の水温の調査は広く行われていないため民間の調査データは貴重である。
  • アユは生きられる限界は水温25℃。しかし、金目川では25℃以上の区域がこの10年で増えている。
  • 河川温度調査では下流は30℃くらいの年が多くなっている。
  • 河川調査のついでに海水温も測っている。海水温は29℃だった。1か月後に台風が来たが相模湾に近づいても勢力が衰えなかった。水温が高いせいではないか。
  • 台風第19号では観音橋の直ぐ下まで水が来ていた。5,400人が避難したようなことはこれまでなかった。
  • 2014年以降の水温の低下は下水道の整備が進み、家庭排水の影響が減少したためではないか。
  • 水温は雨の温度にほぼ依存する。地下水については、地下の温度は深くなるほど温度が高くなるため地下水が地下をどのように通って来たかによる。そのためある地点の温度は気温との相関が高くなる。
  • 下水処理場からの排水は、水質は確保されているが水温を冷ましてから放出することはできない。農業用水も同じで流入すると水温が高くなる。

<魚について>
  • 釣りをしていると水温が朝と昼とで違っているのがわかる。水温が変わると魚の動きが変わる。前の日が雨だと水温が低く、浅い場所だと水温が高くなる。
  • 海では潮の満ち干で水温が変わる。1日のうちでも2℃くらい違っている。
  • 水温が変わると釣りへの影響が大きい。水温が4℃下がると魚の活性が変わるのがわかる。
  • 今泉蛍橋では魚が多いが湧水の影響があるのでは?河床を綺麗にしたせいもある。コイがいなくなった。
  • 弘法橋まではアユが上がってくるがそれより上にはアユはおらずアブラハヤが住んでいる。
  • 台風の時は魚は田圃に逃げ込む。昔はそれを狙って魚を捕り、良いタンパク質として味わった。
  • 板戸川ではアユが獲れるようになった。魚道を変えたためではないか。

<鳥について>
  • 金目川下流の高麗山付近でオオタカが狩りをするのが目撃される。また幼鳥が見られるので繁殖している証拠。オオタカがいるということは生態系が豊かだということを意味している。また水質が汚くても生息できるハシビロガンが見られなくなった。一方でヤマセミがいなくなっている。
  • 下流部では土手の草が刈られて丸裸になった。オオタカが来なくなるのでは。一方で草原性のヒバリは増えるかも。
  • カラスが高麗山をねぐらに使っている。しかし、7〜8年前から減って来ている。
  • 河川での鳥は魚が増えないと増えない。最近、鳥が増えているので魚が増えている証拠ではないか。
  • 長いスパンで考えないと分からないのではないか。

<気候変動について>
  • 最近気候変動の影響か台風の被害が激甚化している。しかし、台風が来た後3日で魚が戻って来た。生き物の生命力、自然というものはすごいものだ。
  • 地形はどうやってできたか、雨で削られてできたものだ。平野は本来そういう場所。過去の災害で護岸やダムが造られてきた。自分の住んでるところはどんなところか把握しておくべき。危ないところはハザードマップに出ている。しかし、ハザードマップには時間軸が無い。

<まとめ>
  • 私たちがなすべきことは川を綺麗にすること。行政ができることと私たちができることは違う。自分たちができることは限られているが出来ることをやっていくのしかない。昔は金目川でタニシが獲れた。そのような川にしていくのが私たちの目標ではないか。